見よう見まねで家事をやりまくる父

母が家事が出来なくなってしばらく経つと、とうとう父が台所に立つようになりました。

母は常々「お父さんは何にも家事をやらないのよ!私がいなくなったらどうするのかしら。きっとすごく困るわよ」と愚痴を言い続けていましたが、母の言葉は良い意味で裏切られる事になりました。

以前、私が父に「お父さんもたまには家事を手伝ってあげて」と言うと、「お父さんはお母さんの健康のために家事をやらせているんだよ」と言うのです。

その時は「なんて事を言うんだろう」と思っていましたが、母がうつ病になると、父は人生で一度もやった事のない家事を見よう見まねでやりまくるようになりました。

「家事なんて簡単だから」と常々言いながらも決してやらなかった父ですが、ほうきで家中をさっと掃き、洗濯は竿に下着もズボンも通し、タオルはパサッと掛けるだけ。  

洗濯ばさみも使わずに干しました。

漫画のような干し方に唖然としましたが、とにかくやる事が早いのです。

お皿は洗剤もつけずにささっと洗います。

卵料理も野菜炒めも全て醤油をさっとかけて出来上がりです。

そしてトマトをザクっと切って、豆腐にも醤油をだーっとかけました。

父は料理が出来上がると男らしく「お母さん、食べろ」と言います。

母は文句も言わずに黙って食べました。

そのうち冷蔵庫の中はトマトと牛乳だらけになりました。

トマトと牛乳は裏切らない。

なぜなら味付けがいらないから。

母はなぜかここから異様に牛乳に執着していきます。

#母の介護#認知症#うつ病

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